一ヶ月食費一万円



一ヶ月食費一万円
テレビの番組でタレントが一ヶ月食費一万円で生活するというのがある。
米代や水道光熱費も含めて一万円なので、過酷なことであるようだが、よ
くわからない。また、先日、主婦の研修生がやってきた。育ち盛りで教育費
のかかる子供が数人いるとのことで、この方も食費は月1人一万円と決め
ていると言う。月一万円と言うと、1人一日300円となるから、買物も難し
いだろう。スーパーの特売は必須と言っていた。
さて、私は若い時大阪など関西で生活したことが数年ある。そこで、関西
人、特に大阪人の買物の仕方が身についたようである。大阪人は、何でも
安く買うことができると自慢するくせがあるようである。値切りもする。私の
ジャンバーを指差して「これなんぼでこうた」「わしなんか、これ通天閣の店
で5000円でこうたで」「安いやろどうだ」と自慢する。最初、見栄っ張りの
名古屋人の私には驚きとしか言いようがなかった。しかし、安く買ったこと
を自慢するだけではなく、安く買うことを楽しみにし、生活行動の一部として
楽しんでいる彼らに降参する他なかった。以来、私は名古屋に帰っても安
く買ったことを自慢することにしている。
当社は利用者さんの食事に使う食材を合理性を求めてまとめて買うように
している。だから、その買物には気をつかう。当然、品質と共に価格は問
題である。大まかに言っても名古屋の中心部と瑞穂区や南区では大根一
本とっても倍ほど価格の差があることが多い。それが毎日のこととなると
差は歴然である。かと言って仕事であるので安いからと言って大根だけを
買いに行くのでは無駄でかえって高くつく。そこで、私はサービス先の途中
にある商店やスーパーで、何が、いつ、安いかを把握するようにしている。
ルート上で野菜ならどこ、魚なら、肉なら、と店を決めて必要に応じてまと
め買いをする。そこまでは、何とかできるが、どこどこのスーパーで何曜日
の何時なら肉が半額となると難しい。
介護福祉士の学習でエンゲル係数などもう忘れてしまったことを再度学ん
だが中々利用者さんの懐具合を細かに考えながらの介護はできない。し
かし、昔こんなことがあった。新規の利用者さんの所に訪問した時の話で
ある。その利用者さんは、ご家族と二人暮しであった。「今までのヘルパー
さんは、買物に行く時二千円はいると言っていた。」「あんたのところは千
円でやってくれるか」「それに出来合いのものが多い。だから、高くつくの
だ。」と言う。仰るとおりである。そして、冷蔵庫の中を見て驚いた。中には
レトルトカレーと食べかけの惣菜コロッケ、豆腐が幅をきかせているだけだ
ったのだ。こういうサービスは慎みたいものだ。