心身は食で成る

            

第85号

平成27年特別号

名古屋市瑞穂区高田町4-15

有限会社レッイビー

☎052―852-3144

 


独居での自炊

高齢者だけでなく、若者にも結婚しない人が増えてか、独居の人が増えている。独居でも自炊するのがよいだろうが、外食や出来合いの惣菜で済ませることが大半となるようです。

外食や出来合いの惣菜と言っても、若者と高齢者の場合では大きな違いがある。若者は沢山食べるので、外食や出来合いの惣菜でもその種類が多くなります。それに比べ高齢者は、おにぎり一つでお腹いっぱいになることもあるので、一日に口にする食材の種類が極端に少ないことが多い。ともすると、体を動かすことが面倒なのか、お菓子やパンで済ませていることもあるようです。

胃袋の中までお届けする配食

レストランでは料理に落ち度がない限り、お客が食べようが残そうが、基本レストラン側の責任は問われません。極端な話、テーブルに料理をお出しさえすれば、後は会計で事足ります。

しかし、介護の必要な方の食事の場合は、そのような訳にはいきません。要介護で配食を依頼されている方は、ご自分では食事を確保できない、買い物もままならないのです。配食が唯一の食事と考えていい、だから配食の料理は、食べていただけなければいけない。

逆に言えば、栄養豊富な料理でも、粗末な料理でも、食べていただかなければ、ないのと同じです。その上で、その食事を消化吸収していただかなければ、何の役にも立たないのです。

病院食がまずいとか、食べてくれないとかの話を時々聞きます。病院では十分な医療が行われるでしょうが、それにも増して十分な食事が摂れなければ順調な回復が望めません。

さて、配食をお届けしても、食べていただけないときはどうするかです。

まず、その利用者さんの様子を観察します。歯は義歯か?義歯は合っているか?使っているか?唾液は不足していないか?飲み込みはどの程度出来るか?そして今までどのようなものを食べていて、何が好きで嫌いかなどです。

その上で、まず好きなものを食べやすくして、出してみます。この時ですが、好きなものと言うことも重要なのですが、それよりも食べやすいことはもっとも重要と考えています。

特に、刻み食やトロミ食、ペースト食は要注意です。どちらも自分で食べてみれば解るのですが、刻みはバラついて口に運びにくいし、唾液と混ざらないと食べにくいです。また、普通食をペーストにしたものは味が食物全体に均一となるため、薄味になってしまいます。

咀嚼が不十分、唾液が少ない、飲み込みがよくないなど、刻み食やペースト食を選択する場合もなにしろ刻めばいい、トロミを付けたりペーストにすればよいではなく、実際に自分で食べてみて毎日続けられるような味や食感に仕上げるのが理想です。そのような考えを基に、たどり着いたのが「丼メニュー」です。親子丼、牛丼、豚丼、そぼろ丼、天津丼、手羽丼などを不足しがちな野菜等を加えて作り、柔らかめのご飯に汁多めで盛り付けます。これらは、食事の用意や片付けも面倒な方にも好評です。(丼メニューは居宅調理などを利用した特別メニューになります。ご相談ください)

血も骨も肉も脳だって、食べたもので作られ、食べたもので日々働いている。

 人間の体全体が一通り新陳代謝するのに、三か月から半年かかると言います。体を作ることと動かすことに十分な食事が摂れていればよいが、そうでなければ体や精神も不調になります。体や精神を健康に保つために、必要な栄養やミネラルについては、様々研究されていますが、役割や必要量がすべて解明されているわけではありません。

ただ、毎日摂取しなければならないものもあれば、何日かの内に摂取されていれば問題のないものもがあるようです。経験上なのですが、若い人は少々の期間なら、栄養やミネラルが不足したり偏ったりしても、あまり体調などが悪化することは少ないのですが、高齢者や要介護者の場合は、僅かな期間でも必要な栄養やミネラルが不足しただけで大きく体調を損なうことがあるようです。

つまり若い人には食生活的にも余裕があるが、高齢者や要介護者には余裕がないということです。

ですから、高齢者や要介護者には、持続的にミネラルや必須アミノ酸を含めてバランスの良い食事を摂ってもらう必要があります。

食事の次には訪問介護・看護さんと連携し排泄等の管理です。

良い食事が摂れたとして、それを消化吸収出来なくてなりません。そこで、排泄を聞き取りや観察で管理します。早い話、良い便が出ていれば消化吸収が概ね良好というわけです。

ここまで来ると、配食事業だけでは出来ない仕事なので、当社のホームヘルパーまたは利用してみえる他のサービス事業者や医療との情報交換が必要です。特に便秘や下痢の頻度が多いとか下剤を服用してみえる場合は、腸内環境を考えながらの調整が必要です。

食事の内容での調整としては、配食だけでなく実際に利用者さんが食べている食事全体を把握してみると、多くの場合は野菜や食物繊維の不足が多いです。それに下剤の調整は、他の薬の影響も考えられますし、食生活の改善が影響していきますので、医療との連携が不可欠です。

前頁で、咀嚼が不十分、唾液が少ない、飲み込みがよくない方など用に、特別メニューのご紹介をしましたが、その他に配膳や後片付けなどのサービスを当社の訪問介護事業を利用することで可能です。また、既に別の訪問介護事業所をご利用の場合も、その事業者さんと仕事内容を分けることで連携出来ます。

心身は食で成る

配食を依頼される方のお話を伺うと、栄養バランスのよくない食生活をしてみえた方が少なくないのです。

私は、独居高齢者の生活や介護保険制度の中で、もっと食の重要性が認識されるなら、要介護認定をうける方は少なくなると考えますし、介護現場の苦労も報われるように思っています。医療は日々進んでいますし、医薬品やリハビリは重要です。しかし、私は日々の食生活あっての医療やリハビリと思うのですがどうでしょう。

障害者や介護認定のない方でも、必要と認められれば配達料助成金利用が可能に!

従来当社の配食サービスは、介護認定で要介護又は要支援と認定されなければ、名古屋市の配達料助成金を利用することは出来ませんでした。しかしこれからは、障害者の方は、その地区の障害者基幹相談センターが必要と認められれば、要介護・要支援の認定を受けていない高齢者の方は、地区のいきいき支援センターで必要と認められれば、配達料の助成を受けられることになりました。詳しくはお問い合わせください。

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