医師に胃ろうを薦められましたが、
お断りし戻ってきました。
母の病名はパーキンソン症候群、てんかん、急性硬膜下血腫後遺症などで、昨年3月意識レベルが急に低下したため救急入院しました。入院当初はわずかな反応しかない状態で口からの食事は無理なため、鼻からのチューブによる鼻腔経管栄養でした。
鼻からのチューブは極度な違和感があるでしょうが、意識のない母は、当初その管を抜くこともなく四六時中静かにしていました。この頃は、私も胃ろうを覚悟していました。
しかし、病院の努力のかいがあって、徐々に体に動きが出てきて、ついにはその鼻腔経管栄養のチューブを頻繁に抜いてしまうようになりました。私は、これまでの介護の経験上、「もし胃ろうを作っても、母はその胃ろうのチューブさえも抜いてしまうのではないか」と考えました。胃ろうのチューブを抜いてしまえばそのたびに手術です。それでも医師は熱心に胃ろうを薦めてくれました。しかし私は、一度は今までの経験を生かして、自宅で経口摂取を試みようと退院を決意しました。
退院当日には案の定、母はすでに病院のベッドで鼻腔栄養のチューブを抜いてしまい、チューブなしでの退院となりました。ですから、自宅に着くなりいきなりの経口摂取となりました。
もし、経口摂取に失敗すれば、すぐに鼻腔栄養のチューブを入れる必要がありますので、医師に来てもらわなくてはなりませんでした。そこで、座位は諦め、確実と思われる側臥位での注射器による食事に切り替えました。内容は全てミキサー食です。
私が経口摂取を決意した理由は
1、
まったく喋れないわけではない。
2、
よく観察すると、確実につばを飲み込んでいる。
3、
そして、それらにもまして当社のスタッフならやれるだろとの確信でした。
最初は一回の量を制限しましたので、一日5回の食事で対応しましたが、ほどなく一日3回になりました。嚥下状態は、始めの内はあまりよくなかったようで、誤嚥がすこしあり軽い肺炎を起こしたようです。それでも嚥下訓練がなんとかできたようで三ヶ月目からはデイサービスにも通えるまで回復してきました。側臥位で注射器による食事介助は技術が必要ですし、慎重にしないといけないので、詳しくはまた御説明するつもりです。
これまでも、胃ろうを薦められてもそれを断わって、当社に訪問介護を要請されるケースは何件かありましたが、正しい座位をとっての食事介助で事足りました。ですから、本格的に側臥位で注射器による食事介助は初めてです。
退院して、もうすぐ六ヶ月これも皆さんの御協力の賜物と感謝しています。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。ホームページで食事の様子など、動画で公開しています。ご覧下さい。
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