他の嚥下障害等事例から

当社は発足から10年になります。発足当初から嚥下障害で胃ろうを勧められた利用者さんの介護をお引き受けしてきました。胃ろうを断って退院した方もみえますし、胃ろうを作ったけれど、また口から食べていきたいと考えた方もみえました。そのような事例をご紹介したいのですが、個人情報の問題があり、一つ一つの事例を詳しくご紹介することはできません。
そこで、当社で関わったすべての事例での経験を総合した上で、それを問題別に分けて紹介していきたいとおもいます。
それに、当社特有のことかも知れませんが、嚥下障害の利用者さんは少なからず認知症の症状を持ってみえましたし、また、ほぼ全てが独居ないし昼間独居の方であったことを申し添えておきます。

ベッドについて

畳の生活しかしたことがなく、ベッドを導入すれば転落の危険がありました。ベッドにすればオムツ交換や食事介助が容易になりますが、断念し畳と布団で介護を続けました。

拘束について

 鼻腔栄養や胃ろうは常に体にチューブが接することになります。それによる炎症とまではいかなくとも、常に違和感を感じます。ですからミトン手袋などの拘束が必要になります。
シリンジによる経口摂取なら拘束の必要はありません。

褥瘡予防について

 予防にはバランスのよい食事が一番です。シリンジによる経口摂取なら、コラーゲンなどお肌によい、健康な皮膚を作る食品を追加するのも思いのままです。
また、皮膚が赤くなったりして褥瘡の兆候が出てきたら食品ラップを貼りましょう。テープでチョット止めるだけでも、テープなど使わなくてもいい場合もあります。
   詳しくはここをクリック  ラップ療法

排せつについて

 良い便であれば、オムツ交換は簡単で素早く済みます。良い便であれば、腸内環境もよいと察しがつきます。
良い便にするには、適切に食物繊維を摂取することが重要です。シリンジによる経口摂取なら、食物繊維の多い食品も自由に取り入れることが出来ます。
私たちは、寒天とマッシュポテトで不足分を補っています。

食事作りについて

シリンジによる食事ですから全てミキサー食になります。ラコールなどの経腸栄養剤にはマッシュポテトと片栗粉を利用しポタージュスープのように仕上げ、お茶、ジュースなどは寒天で市販のクラッシュぜりーのように仕上げます。どちらもしっかり冷蔵で2日間保存可能です。
玄米、ニンジン、ゴボウ、玉ねぎ、サツマイモ、合挽き、鶏ミンチ、魚の煮凝りを柔らかく煮て、味噌と砂糖で味付けしおかゆを加えたミキサー食は当社独自の物ですが、冷凍で2か月分を一度に作っています。
参考には、下のボタンをクリックして「訪問介護研究会」のページの「嚥下障害の食事介助をご覧ください。
   詳しくはここをクリックしてください  ミキサー食

医療について

 訪問診療(往診)が絶対になります。できるだけ24時間連絡がとれる先生がみつかればいいのですが、出来る範囲で探しましょう。
また、先生には気軽に相談できるといいのですが、話しにくい場合でも、医師は基本的に患者さんの症状を詳しく知ることについては熱心です。
丁寧に症状やその他の状況も説明して相談にのってもらいもしょう。
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